ICF(国際生活機能分類)について
障がいとは:ICF(国際生活機能分類)
【障がいとは:ICF(国際生活機能分類)のいう障がいとは】
- 心身機能・構造(生命レベル)
生物レベルで「生きる」ことをとらえたもの。手足の動き、精神の動き、視覚・聴覚の機能、心臓の弁など体の部分をいう。 - 活動(生活レベル)
日常生活行為(ADL)、社会生活上必要な行為、余暇活動など。 - 参加(人生レベル)
社会参加だけでなく、家庭での役割、趣味やスポーツへの参加など。
- 環境因子
物的な環境のほか、人的な環境、社会意識としての環境、制度的な環境なども含む。 - 個人因子(個性の尊重)
年齢、性別、民族、生活歴、価値観、ライフスタイル、問題解決の方法・方針など。
※これらのレベル、因子の相互作用を捉えることで、その人の障がいを理解する。
例えば、下肢障がい者の場合。
足が不自由でも車いすを使えば移動できる。(車いすは歩けないという能力を補う事ができる。) しかし、車いすでの移動は、段差を越えられない。急な坂が上がれない。
解決策は…段差をなくす。誰かが持ち上げてくれる。これにより、足が不自由という生命レベルの問題はあるが、目的地へ行き、活動に参加することができる。
☆「足が不自由だから移動できない、社会参加できない事」の問題は?
医療モデルの考え方
足の機能が問題。悪いのは歩けない人?⇒足が治れば、問題は解決する。
解決策は、足を治そう。
社会モデルの考え方
歩けないと移動できない社会が問題。悪いのは歩けない人に優しくない社会。
解決策は、移動能力がなくても移動できる社会にしよう。
ICF(統合モデル)
医療モデル、社会モデルどちらも極端⇒どちらからも歩み寄ろう。
○歩けないという足の機能を車いすで補おう。 医療モデルの歩み寄り
○車いすで移動できるように環境を整備しよう。 社会モデルの歩み寄り
これらから考える事
障がい者というとその人に「障がい」がある様な印象である。
しかし「障がい」はその人と社会の間にある。
いつかその人と社会の間に障がいがなくなれば、障がい者という言葉はなくなるだろうか。
Q:障がい者は幸せになれないのだろうか?なぜ、幸せでないのだろうか?
A1:誰もが当たり前に行うことを当たり前に行うことができないから。
A2:生きることさえ、当たり前にはできないから。
Q:それでは、当たり前のことを当たり前に行う為には?
A:その人と社会の障がいとなる問題を一つ一つ解決していけばどうだろうか…。
障がい者の人権
その人と社会の障がいとなる問題を(もっと深刻なものは、放置すると生きることさえ保障されない人たちの問題を)、障がい者の責任として放置する事は障がい者の人権を侵しています。