まーぶるコラム 第1回
今回のテーマは「問題行動?!」です。ただ見ているだけでは、単なる問題行動かもしれません。でも本当は…というところを知っていただければと思います。
今日は、とっても天気がよく風も心地よい秋晴れとなりました。Aくんは、9歳の男の子です。とても、元気でわんぱくな、でも優しさときらきらとした笑顔を持っています。今日はヘルパーのお兄さんと外出です。彼は、赤色の車が大好き。今日は、大阪の交通科学博物館を目指します!
まずは、バスに乗って、駅を目指します。窓に顔と手をくっつけながら外を眺めて、「赤い車!」と大好きな赤い車を見つけてはヘルパーに教えてくださいます。
無事、駅に到着。これから電車に乗り換えです。横断歩道の前で、Aくんとヘルパーは青信号に変わるのを待っていました。すると…いきなりAくんが交差点へ入って行こうとするのです。ヘルパーは急いで追いつき、なんとか交差点に入る前にAくんを止めることができ、事故が起こることはありませんでした。
いかがでしたか?こんな場面、出会ったことはないでしょうか。こういう時、本当にびっくりしますよね?せっかくの楽しい外出が楽しめなくなることもありますよね。
さて。なぜAくんは交差点へ入ろうとしたのでしょうか。「困らせてやろう!」と思ったのでしょうか?「早く行きたい」と焦ってしまったのでしょうか。
実は、この時赤色の車が目の前を通っていたのです。彼は大好きな車を見つけてそれに夢中になり、まわりに他の車が通っていることに気づけませんでした。みなさん、ラップの芯や紙を丸めてそこから世界を見てみてください。どんなふうに見えますか?まわりの状態って、まったくわからないですよね?その筒の先にある小さな世界しか見えないですよね?今回は、筒の例を出しましたが私たちも夢中になると周りが見えなくなること…ありませんか?実は同じなんですよね。でも、その場所がどこなのかを考え、左右の確認をしたり、信号を確認したりしますよね。
彼らは、とても高い集中力を持っています。好きなこと・興味のあることなら何時間でもそれを続けることは可能なんです。ただ、そちらに注意が向きすぎてまわりが見えないのではないでしょうか。
問題行動に思える行動でも、必ず理由があります。その理由に気づき、安全に楽しく外出するためには、彼ら自身としっかりと向き合い、彼らが興味・関心のあるものを発見し、それを危険が伴わない方法で楽しんでもらえるよう工夫を凝らしていきたいですね。
ただ、1つ忘れないでいただきたいのは、飛び出しには理由がある。でも、必ずしもいいことだけが理由になるわけではないことを覚えておいていただければと思います。
次回は、いい理由ではない場合について書いていければと思います。
文責:大橋奈緒子