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まーぶるコラム 第10回

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2013年は皆様にとってどんな1年だったでしょうか。日本では、富士山の世界文化遺産認定、オリンピックの東京招致等うれしいニュースがあった反面、伊豆大島では台風による豪雨で多くの方が亡くなられ、私たちの住む京都でも桂川が氾濫し、大きな被害を受け、改めて自然災害の怖さを知ったと同時に、そこから身を守るための対策を考えなければならないと痛感させられました。

さて。今回は「おいしいごはん②」と題しまして、口から食事をとることが難しい人たちについてお話していきたいと思います。

まず、口から食事をとることが難しい人たちはどういった人たちなのかを考えていきたいと思います。

ひとは、食べ物を目にして、また、おいしそうな匂いで唾液(だえき)が出てきます。唾液には、噛み砕いた食べ物をまとめ、飲みこみやすくしたり、消化を助ける働きがあります。

そして、実際に食べ物を口にするとその食べ物をかみ砕き、下と唾液で食べ物をまとめ、飲みこみます。それが、食道を通り胃に入ります。胃では、食べ物をいったん蓄え、食物と胃酸を混ぜ合わせて、どろどろの状態の物を作って、十二指腸へと流れていきます。

ただ「食べる」ということだけで、実は非常にたくさんの過程があることがわかりましたね。

食べ物を飲み込むことがうまくできない人や、飲みこめても誤って気管に入ってしまう人、食べ物を食べられるけど、十分な量が取れない人がおられます。そういった人たちはどのようにして食事をとられるのでしょうか。

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みなさんは「経管栄養」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

字のまま「管を経て栄養をとる」方法なのですが、必要な時に口からチューブを入れて、胃に栄養剤を送る方法。鼻からチューブを入れておいたり、お腹に「瘻孔(ろうこう)」と言われる穴をあけ、胃や腸とチューブでつなぎ、そこから栄養をとったり。 では、そうした場合に食事は全く食べれなくなるのかというとそうではなくて。とろみのあるスープは、食べられる量だけは口から食べる。ジュースなどの飲み物は、口から飲む。など、その人の状態に合わせて口から食べ続けることをされている方もおられます。

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今回は、生活の中の「食事」という部分を見てみることにしました。というのも、私自身、料理をするのも食べるのも大好きで、このコラムを書きながら「おせちには何を入れようか…」「お雑煮かぜんざいか。お雑煮ならすましか、みそか…」なんて悩んでいる時期でもありました。

そんなときに、ふと目の前にいた利用者さんを見て「この人におせちって、食べにくいよね」と思ったのです。

おせちの中身を思い出してみてください。ごまめや酢レンコン、海老に、お煮しめ等々たくさん入っていますが、硬かったり繊維質であったり。食べやすいのって、栗きんとんくらいかな?なんて考えてみたり。

そんなことを考えているうちに、「この人は料理の味を知っているんだろうか?」と思いました。

お母様方に聞いてみると、「口から食べたことないんです」という人もおられますが、「昔は食べてたのよ」とか、「家ではミキサーにかけて食べさせてます」とか。そういった声も聞けました。

家族が食べるものを、長めに火を通してやわらかくしたり、ミキサーにかけて食べたり。栄養が足りない分は、栄養剤などで補給して。

成長や体質に合わせて、栄養剤の種類もたくさんあり、そういったものを使われているご家族はきっとたくさん相談して、たくさん悩んで、合わない栄養剤を使ってしまい体調を崩してしまわれ、苦しい思いや辛い思いをされてきたのだろうと思います。そうやって、本人とともに命をかけた試行錯誤をしながら、生活してきておられます。

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「食」という部分を、2回にわたって書いてみましたが、みなさんはどう感じられましたか?

食事は、私たちが生活していく上で欠かせないものの一つだと思います。では、単に必要な栄養を取るだけでいいのでしょうか?

あなたにとって、「食事」とはどういうものですか?

誰かと一緒に食べる楽しさは、給食や遠足で学校の友達と、また家に帰ってご家族と、みんな経験してきていることだと思います。

料理をされる人であれば「メニュー考えるの面倒だな」なんて言いながら、「おいしい」と笑顔で返してくれる大切な人のために頑張ってみたり。その人と、一緒に食べることがよりおいしさを引き立たせたり。

「食事」という行為ひとつとっても、単に「成長のため」とか「体を維持するため」とかそういうものではなく、そこで生まれる会話や表情、相手との関係や絆など、たくさんのものを運んできてくれるものなのかもしれませんね。

文責:大橋奈緒子